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一年と雲南


前回から一年以上経ってしまっていた。それだけこの一年が充実していたという事なのだろうか。ただ忙殺されていただけなのだろうか。とはいえ、この一年は自分にとって転機であったことは確かである。自分の人生であり得ないことがたくさん起こった。元々自信がなく、引っ込み思案の人見知りで、話すことも苦手な人間なのに、ここまでやってこれたのはなんであれ提案してもらったもので、やってみたいと思ったことはできないかもしれないと思いつつ、とりあえずやってみたからなのだろう。失礼な話ではあるが、自分にとってとても大きなもので、正直できないかもしれないと思いながら引き受けたこともあったのだが、結果できなかったものはなかった。とりあえずやってみればなんとかなるのだ。自信を持てと言われるが、持とうと思って持てるものでもない。そういうものなら既に持ち合わせているだろう。自信はないけれど、託してくれる人がいるならば精一杯やってみようという気持ちがあれば意外と乗り越えられるものだ。失敗しても死なないことはとりあえずやってみる。これからも、やりたいことはやってみる。

やってみるといえば、1月に香港でプーアル茶を初めて飲んで美味しさに感動し、縁が繋がって11月にはプーアル茶の産地である中国の雲南省シーサンパンナへ行ってきた。雲南省はミャンマーやラオス、ベトナムと国境を接する位置にあり少数民族が多く暮らしている。友人の繋がりで現地のプーラン族の方に案内してもらい、朝昼のご飯もごちそうになり、夜にはご家族やご友人たちと毎晩お酒を飲み交わし、私はずっとこれもガイドの仕事のうちなのだろうなと思って過ごしていた。しかし最後の最後、お別れの場面で友人たちとお金を払おうとしたら、いらない、友達だからいらない、また友達を連れて来てくれれば良いと結局受け取ってはくれなかった。数日前に初めて出会った異国の人間に対してそんなことがあるのだろうか。全く受け取ってもらえないなんてことは自分の中で全く想像しておらず、そんな自分の浅はかさや、結局何も返すことができなかったこと、もしかしたらもう一生会うことはないかもしれないこと、色んな気持ちや感情が溢れかえってしばらくの間放心状態だった。旅の間中何度もそのことを考えていたが結局答えは見つからず、帰ってから友人にそのことを話すと、田舎はみんなそんなもんだよとあっさり答えられてしまった。そんなものなのか。自分がどれはど他人に対して懐疑心を持ち、打算的であったかを突き付けられたようでとても恥ずかしくなった。自戒を込めてここに記す。立派な人間にはまだまだなれない。


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